院長ブログ
新型コロナワクチンについて
ニュースでよく見る新型コロナワクチンの名前をご存知ですか?
ファイザー株式会社が販売しており、販売名を「コミナティ筋注」といいます。ニュースではポツポツ副反応のニュースが流れていますが、実際はどうでしょう。ワクチンも含めお薬が世の中に出るまでには治験といってある程度の人数のボランティアにお薬を投与してその有効性と安全性を確かめる試験が行われます。このコミナティでも販売前に国内で試験が行われており、添付文書(「コミナティ添付文書」でネット検索できます)にその成績が記載されています。
日本国内で20歳以上85歳以下の156例(接種群:116例、非接種群:40例)が参加した試験結果です。副反応についてだけ簡単に紹介します。接種部位の疼痛は接種当日から翌日にかけて出てきて、2日間くらい続きます。その頻度はワクチンを接種した人の8割程度で、日常生活に支障が出た方が2例(1.7%)おられました。その他の副反応は接種翌日に出て1日続く程度で、1回目より2回目の方が頻度は高く2回目接種後の副反応と頻度、そのうち日常生活に支障が出た頻度は次の様でした。疲労60%(うち3.4%の人が日常生活に支障が出た)、頭痛44%(1.7%)、筋肉痛16.4%(0%)、悪寒45.7%(1.7%)、関節痛25%(1%)、発熱38%(0.9%)。
この成績をみるとインフルエンザワクチンより副反応の頻度は明らかに高いように思えますが、個人をそして社会を守るために新型コロナウイルスと戦う唯一の武器であることを考えると許容すべき範囲ではないでしょうか。
[2021-03-02]