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院長ブログ

マスクをしていると熱中症になりやすい?

学校で運動会やその練習中に熱中症で救急搬送されたとの報道があり、その際によく「屋外でマスクを着用すると熱中症リスクになるので」とコメントされます。

日中でもよくマスクを着けて歩いている私の感覚では、マスクをしていると確かに蒸し暑く息苦しいと感じることはありますが「マスクをすることで熱中症になりやすい」というのは本当かな、コロナ以前と以後で熱中症患者が増えているかどうかぐらいはデータがあるはずなのに聞いたことないなと思っていました。

先日、ネットの日経メディカルで近畿中央呼吸センターの倉原先生の「マスク着用は本当に熱中症のリスクなのか?」という記事を見つけました。そこで、先生はいくつかの論文を引用されており、マスクをして運動してもマスクの部分の皮膚温は上がるが深部体温(直腸温や鼓膜温)は上がらないこと、日本から報告された研究においても、「コロナ禍に入って国内で熱中症が超過的に増える」という結論は導かれていないこと、マスク着用で酸素飽和度は高齢者でも下がらないことなどから「マスク着用が熱中症のリスクと断言するには、今のところエビデンスが乏しい」と述べておられます。ただ先生は、「熱中症になりそうだと感じたらマスクを外して涼を取り、水分補給などを行う方がよい(ベネフィットが勝る)のは言うまでもありません」とも述べておられますし、結局その場に応じて個人が考える問題だと書かれています。

仕事がら感染の機会があるので他人にうつしたくない(もちろんうつりたくもありませんが)マスクしたい派の私としては、街中では当分の間、熱中症を気にすることなくマスクをして歩こうと思います。


[2022-06-17]

小児の原因不明の肝炎について

最近、小児において通常知られている肝炎ウイルスが陰性の急性肝炎が増加しており、重症で亡くなったり、肝移植をしなければいけない患者さんが出たりとの報道があり心配されている親御さんもおられると思います。

この小児の原因不明の急性肝炎については厚生労働省がマスコミ向けに5月6日にプレスリリースを発表しています。内容をそのまま引用しますと「世界保健機関(WHO)の報告によると、5月6日現在、12 カ国で少なくとも 169 例(死亡1名)の小児における原因不明の急性肝炎が継続して報告されています。うち、74 例でアデノウイルスが検出されていますが、原因ウイルス等については不明であるとされています。また、小児における急性肝炎が実際に増加しているのかについても、不明であるとしています。WHOでは、この急性肝炎の原因特定を目的として、暫定的な症例定義を定め、各国に症例定義に該当するケースの報告を求めています」ということで、小児において実際に増えているのかも含め調査中でアデノウイルスとの関連性も含めて何もわかっていないということです。言い方を変えると、子どもの診療に携わっている医療者以外は何も心配しなくてもいいというか心配しようがないということです

ちなみに2021 年 10 月以降の今年の5月5日18 時までに厚生労働省に報告されている患者数は7人で亡くなられた方はおられず、ウイルス検査で新型コロナ陽性が1人、アデノウイルス陽性が1人、検査中が4人ということです。

 


[2022-05-17]

HPVワクチン(子宮けいがん予防ワクチン)の定期接種期間が延長されます

HPVワクチンの積極的な勧奨接種が再開されたことは、昨年の11月20日のブログにあげましたが、勧奨接種は2013年6月から中止されており、その間に接種対象であった小学校6年生から高校1年生の女子は接種することを控えていた可能性があります。そこで、厚生労働省が今年の4月以降、平成9年度生まれから平成17年度生まれまでの女子を一時的に定期接種の対象とすることを決定しました。定期接種となる期間は令和4年4月から令和7年3月までの3年間です。このように、時限的に従来の定期接種の対象年齢を超えて接種を行うことをキャッチアップ接種といいます。

子宮頸がんは、性交渉によってHPV(ヒトパピローマウイルス)に感染し、がん化する病気ですので、HPVワクチンで感染を予防することで子宮頸がんの発症も予防できるわけです。今年の1月には、「イングランドではHPVワクチンによって子宮頸がんの根絶にほぼ成功した」との論文がLancetという医学雑誌に発表されています。キャッチアップ接種の対象の女子でHPVワクチン接種を考えておられる方はこの機会に接種を検討してください。キャッチアップ接種には予防接種施行令という法律の改正が必要なため、現時点で詳細が分かっていないところがありますので、医療機関への問い合わせ、相談などは4月以降にしてください。


[2022-03-28]

おたふくかぜについて

おたふくかぜはムンプスウイルスに感染することで熱が出て耳の下にある耳下腺が腫れて痛くなる病気です。だいたいは経過良好なのですが、膵炎や髄膜炎をきたして入院治療が必要となる、精巣炎をおこし男性不妊の原因になる、耳が聞こえなくなる(難聴)などの合併症もあります。

これらの合併症を防ぐにはおたふくかぜワクチンを接種するのが一番で、2回定期接種を行っている国ではおたふくかぜが99パーセント減少したとされています。日本では日本小児科学会などが以前から要望書を国に提出していますが、まだ定期接種ではなく任意接種のままで有料です。

合併症の中で難聴は極めてまれなものであり、万一発症しても片側のみの失聴で大きな問題がないとされてきましたが、2015年から2016年のおたふく風邪の流行時に日本耳鼻咽喉科学会が調査したところ2年間で359人のムンプス難聴の報告があり、詳細の明らかな335人中305人は障害が残り一側難聴の263人、両側難聴の13人が高度難聴以上になっていました。この調査で、ムンプス難聴は決して稀ではなく、一側難聴でも学校生活等で多くの困難を感じていることが明らかとなりました。日本以外の多くの国では、おたふくかぜはすでにワクチンによりほぼ制圧された疾患となり、ムンプス難聴患者の発生もほぼなくなってきています。

おたふくかぜワクチンは任意接種なので接種年齢の決まりはありませんが、日本小児科学会は1回目を1歳時に、2回目を小学校入学前の1年間に接種することを推奨しています。

 


[2022-02-25]

忘れがちな3歳以降の予防注射

赤ちゃんの時の予防注射は間隔も短く、風邪なども引きにくいので予定通りに行くことが多いのですが、3歳から接種する日本脳炎からついつい忘れがちになってきます。

3歳以降の定期接種の主なものは3歳で2回、4歳で1回、9歳から1回の計4回接種する日本脳炎ワクチン、小学校入学前の1年間で接種するMR(麻疹・風疹)ワクチン、11歳からのDT(二種混合)ワクチンと前回とりあげたHPVワクチンの4種類です。

日本脳炎ワクチンは昨年供給不足のために打てなかった方もおられると思います。現在もまだ不足気味ですが、供給は徐々に回復傾向にあります。最初の3回を第1期と呼び、7歳半までは定期接種ですので、母子手帳を確認してかかりつけ医で打つようにしてください。9歳からの接種は第2期といいますが、こちらは13歳の誕生日前日まで定期接種です。

MRワクチンは1歳で1回打っていますが、就学前つまり「年長さん」の4月1日から次の年の3月31日までの間に2回目を打たなければいけません。現在「年長さん」でまだ打っていない方は3月31日までに必ず打ってください。

DTワクチンは主に破傷風の予防を目的に接種します。交通事故や災害など万一を考えると打っておくべき予防接種です。13歳の誕生日前日まで定期接種で打つことができます。注射液の量が0.1mlと最も少ない予防注射です。


[2022-01-13]

HPVワクチン(子宮けいがん予防ワクチン)の積極的勧奨が再開されます

子宮頸がんは、性交渉によってHPV(ヒトパピローマウイルス)に感染し、持続感染することでがん化する病気です。日本での患者数は年間約1万人、20代後半から増加し40代以降は概ね横ばいになります。早期に発見されれば比較的治療しやすいといわれていますが、がんであることには変わりがなく年間約3,000人が死亡しています。最近では、20代から30代で患者さんが増えています。

日本では、HPVに感染することを予防するHPVワクチンが2013年4月に中学1年生から高校1年生までを対象に定期接種となりました。ところが、その2か月後にワクチン接種後の原因不明の慢性疼痛などを伴う有害事象報告があり、「積極的な接種勧奨」が中止されていました。その後、厚生労働省の専門部会で種々の検討が行われ、2021年11月1日に「積極的な接種勧奨」を再開することが決まりました。

子宮頸がんは命に関わる「ワクチンで予防できる疾患(VPD)」です。日本では副反応ばかりが大々的に報じられがちで、「ワクチンで予防できる疾患(VPD)」のこわさは伝わりません。かけがえのない子どもたちの健康や未来を守るには、接種することのリスクとVPDになることのリスクを比較して冷静に判断することが必要です。保護者だけでなく、ワクチンを受ける思春期の子どもたち自身が予防接種の必要性を十分に理解することも大切です。

HPVワクチンについては「厚生労働省子宮けいがん」で検索すると詳しい情報が手に入ります。かかりつけの先生に相談されるのもよいと思います。


[2021-11-20]

今年のインフルエンザについて-流行する?しない?ワクチン打つ?打たない?-

 

昨年はインフルエンザの流行はほとんどありませんでした。コロナが流行していたからとかコロナの影響で手洗い・マスクが徹底していたからだとか言われていました。同様にインフルエンザ以外の子どもの感染症も激減していたのですが、今年になってからは昨年流行しなかったRSウイルスが大流行しました。昨年RSウイルスが流行しなかったため免疫のない子どもが多かったからではないかと考えられ、手洗い・マスクの限界が証明されてしまいました。こうなると、同じ理屈で、昨年インフルエンザが流行しなかったので免疫のない人が多いため、今年はインフルエンザが大流行するのではないかと推測する報道もあります。また一方で南半球では2年続けてインフルエンザの流行がなかったことから、日本でも流行はおきないのではないかといわれる専門家もおられます。

昨年はコロナの流行もあり、インフルエンザワクチンの接種が早くからさけばれていましたが、今年はさほど報道されていません。実際、今年のインフルエンザワクチンの出荷量は昨年の7割程度になりそうということで国としてもあまりインフルエンザワクチンの必要性を感じていないのかなと想像しています。コロナと異なりインフルエンザには治療薬もありますしコロナワクチンの接種の方が優先なのかもしれません。

インフルエンザには治療薬がありますが、乳幼児に多い死亡率の高いインフルエンザ脳症にはインフルエンザの治療薬は効果がないためワクチンでかからないように予防することが重要です。子どもの場合ワクチンは2回打たないといけないので早めに1回目を接種することをお勧めします。13歳以上になれば接種は1回で済みますので年内をめどに接種されるとよいでしょう。インフルエンザワクチンが不足する可能性もありますし、コロナワクチン接種との兼ね合いもあります。詳しくはかかりつけ医にご相談ください。


[2021-10-01]

子どもは新型コロナワクチンを打った方がいい?

日本では12歳以上であれば新型コロナワクチンが打てます。新学期が始まることで中学生や高校生をお持ちの親御さんは打たそうかどうしようかと迷っておられることと思います。重篤な基礎疾患のある子どもは新型コロナが重篤化する恐れがあるので日本小児科学会も主治医と相談した上での接種をすすめています。健康な子どもは新型コロナにかかっても重篤化することは少ないものの最低10日間は自宅療養が必要になること後遺症の例もあることから、接種による副作用を考慮しても打つ意味はあると考えられています。

ただ、家庭内感染の場合はやはり親から子への感染が圧倒的に多く、海外の学校でのクラスターの事例でも先生がマスクをしなかったことで生徒が感染したというように、子どものワクチン接種を考えるうえでは周囲の大人がまずワクチン接種を完了していることが重要だと考えられています。

中高生の親御さん、そしてワクチンを打てない12歳未満のお子さんをお持ちの親御さんは是非ワクチン接種を検討してください。


[2021-08-30]

RSウイルス感染症について

 

RSウイルス(RSV)がまだ流行しています。RSVの流行が騒がれるのは、乳幼児とくに生後6か月以内の乳児で細気管支炎、肺炎をおこし、呼吸困難のため入院する場合があるためです。実際に入院するのはRSVに感染したこどもの1%程度ですので、むやみに心配する必要はありませんが、小さく生まれた赤ちゃん(低出生体重児)や、心臓に穴が開いている赤ちゃん(先天性心疾患)は重症化するといわれています。

現在のところRSVにはインフルエンザに対するような特効薬はなく、ワクチンもありません。ただ、先ほどお話しした重症化すると思われる赤ちゃんには予防的に抗体製剤が定期的に投与されています。

風邪かなと思っていても、咳がどんどんひどくなる、ゼーゼー・ヒューヒューいっている、横になって寝むれない、息づかいが粗い、肩で息をしている、などの呼吸困難が疑われる症状があれば早めに受診しましょう。


[2021-07-30]

コロナワクチン打ちました

 

医療従事者としての優先接種ということで、4/29に1回目、5/20に2回目を東大阪の病院で打ってきました。特に2回目は発熱や全身倦怠感で仕事に影響が出るのではないかと心配していたのですが、注射した部位の痛み以外は何もなく済みました。私も含め年齢の高い人は全身の副作用が少ないようで、5/17に診療所で接種した75歳以上の10人の方もまったく問題ありませんでした。

大規模接種センターができ、ファイザー社以外に新たに2種類のワクチンが承認されます。診療所でも徐々に接種人数を増やしていこうと思っています。


[2021-05-21]
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