院長ブログ
HPVワクチン(子宮けいがん予防ワクチン)の定期接種期間が延長されます
HPVワクチンの積極的な勧奨接種が再開されたことは、昨年の11月20日のブログにあげましたが、勧奨接種は2013年6月から中止されており、その間に接種対象であった小学校6年生から高校1年生の女子は接種することを控えていた可能性があります。そこで、厚生労働省が今年の4月以降、平成9年度生まれから平成17年度生まれまでの女子を一時的に定期接種の対象とすることを決定しました。定期接種となる期間は令和4年4月から令和7年3月までの3年間です。このように、時限的に従来の定期接種の対象年齢を超えて接種を行うことをキャッチアップ接種といいます。
子宮頸がんは、性交渉によってHPV(ヒトパピローマウイルス)に感染し、がん化する病気ですので、HPVワクチンで感染を予防することで子宮頸がんの発症も予防できるわけです。今年の1月には、「イングランドではHPVワクチンによって子宮頸がんの根絶にほぼ成功した」との論文がLancetという医学雑誌に発表されています。キャッチアップ接種の対象の女子でHPVワクチン接種を考えておられる方はこの機会に接種を検討してください。キャッチアップ接種には予防接種施行令という法律の改正が必要なため、現時点で詳細が分かっていないところがありますので、医療機関への問い合わせ、相談などは4月以降にしてください。
[2022-03-28]