院長ブログ
小児の原因不明の肝炎について
最近、小児において通常知られている肝炎ウイルスが陰性の急性肝炎が増加しており、重症で亡くなったり、肝移植をしなければいけない患者さんが出たりとの報道があり心配されている親御さんもおられると思います。
この小児の原因不明の急性肝炎については厚生労働省がマスコミ向けに5月6日にプレスリリースを発表しています。内容をそのまま引用しますと「世界保健機関(WHO)の報告によると、5月6日現在、12 カ国で少なくとも 169 例(死亡1名)の小児における原因不明の急性肝炎が継続して報告されています。うち、74 例でアデノウイルスが検出されていますが、原因ウイルス等については不明であるとされています。また、小児における急性肝炎が実際に増加しているのかについても、不明であるとしています。WHOでは、この急性肝炎の原因特定を目的として、暫定的な症例定義を定め、各国に症例定義に該当するケースの報告を求めています」ということで、小児において実際に増えているのかも含め調査中でアデノウイルスとの関連性も含めて何もわかっていないということです。言い方を変えると、子どもの診療に携わっている医療者以外は何も心配しなくてもいいというか心配しようがないということです
ちなみに2021 年 10 月以降の今年の5月5日18 時までに厚生労働省に報告されている患者数は7人で亡くなられた方はおられず、ウイルス検査で新型コロナ陽性が1人、アデノウイルス陽性が1人、検査中が4人ということです。
[2022-05-17]