院長ブログ
反ワクチン運動
反ワクチン運動とは、「ワクチンの有効性・安全性に疑いを持つ人が接種を控える動き」のことで、ワクチン忌避とも呼ばれています。反ワクチン運動は、世界的に広がりを見せていて、世界保健機関(WHO)は2019年に発表した「世界の健康に対する10の脅威」の1つとして「反ワクチン運動」を挙げています。
ヨーロッパでは、2018年に反ワクチン政権誕生のイタリアを中心にはしか(麻疹)が大流行し、上半期だけで4万人以上が感染して死者も出ましたし、2019年にはアメリカでも反ワクチン運動のホットゾーンのニューヨーク(NY市)とワシントン州最南部オレゴン州境で児童が続々と感染、ワシントン州知事が非常事態宣言をし、警戒を呼び掛けています。
日本においてもHPVワクチンの接種推奨が停止され、再開を求める医療者の声にもかかわらずいまだ果たされていない等の現状があり、科学誌Natureが、日本ではワクチン安全性への懸念が世界で最も高いレベルにあるとの風潮をニュース記事として取り上げるなど、日本は先進国の中でもワクチンを用いた取り組みが容易でない国として注視されているのが現状です。
反ワクチン運動、ワクチン忌避は子供たち本人をワクチンで防げるはずの感染症やそれに伴う重篤な合併症の危険にさらし、さらに周囲に感染を拡大させることにもなるのですが、何故広がりつつあるのでしょうか。この点については次回お話ししたいと思います。
[2020-01-16]