院長ブログ
新型コロナウイルスの検査は一般の診療所ではできません
3月6日から新型コロナウイルスの検査が保険適応になり、医師が必要と判断すれば可能になったと報道されています。しかしながら、どこの医療機関でも可能になったわけではなく、全国844か所の「帰国者・接触者外来」のある医療機関をはじめ、都道府県が指定した病院でしか検査はできないのです。
コロナウイルスの検査をするためには、のどの奥や鼻の奥を綿棒でこすることが必要になってきます。この時に患者さんが咳き込んだり、くしゃみをしたりするとコロナウイルスが周囲に飛び散ることになります。インフルエンザの検査と同じですが、コロナウイルスの検体採取はインフルエンザの時のようにサージカルマスクと手袋だけでなく、ガウンや顔全体を覆うシールドマスクの装着などの個人防護具が必要で、検査をする部屋も診察室とは別の換気ができる部屋が必要となってきます。個人防護具の着脱には時間がかかり、部屋に余裕のある診療所もほとんどないと思います。一般の診療所で検査できないのはコロナウイルスの検査を安全に行う時間的、設備的な余裕がないからと言えると思います。
また、診療所には持病がある方、ご高齢の通院患者さんも多く、コロナウイルスに感染すると重症化しやすい方がおられます。これらの患者さんとコロナウイルス感染者の動線(通り道)をきっちりと分けることも診療所レベルではなかなか十分にはできません。
インフルエンザと違ってコロナウイルスに対する治療薬はありません。専門家の意見として、コロナウイルスの検査が本当に必要なのは原因不明の肺炎の患者さん、熱や咳などが1週間以上続き治療しても悪化していくような患者さんのみということになります。
でも、とにかく心配、受診していいか分からないなど不安な時は、かかりつけの診療所に電話で問い合わせしてください。くれぐれもあわてて直接受診することのないようにしてください。