院長ブログ
赤ちゃんの湿疹と食物アレルギー
以前に「肌の弱い赤ちゃん」について書きました。そこで、赤ちゃんの皮膚のトラブルの原因を食物アレルギーと考えているお医者さんは少数派になってきていると書きました。私も、随分前から、赤ちゃんの湿疹の原因が食物アレルギーであるという考えには疑問をもっていました。その、根拠をいくつかお話ししたいと思います。
1) まだ、母乳しか飲んでない赤ちゃんにも湿疹が出る。
2) 検査で出た、原因かもしれない食物をお母さんが一生懸命やめても、赤ちゃんの湿疹は全くよくならない。
3) ある有名な皮膚科の先生がおっしゃるように、赤ちゃんの湿疹は、食べ物が通過する口の周りや、お尻の穴の周りにはほとんど出ない。
4) 赤ちゃんの湿疹は、食事の制限をしてもしなくても、お肌の手入れをしていれば自然によくなってくる。
5) 入院しなければならないほどのひどい湿疹の患者さんで、食べ物アレルギーの検査であるRAST検査で、ほとんどの食べ物に高い値を取っており、食物制限がまったくできなかった患者さんが、きれいになおった経験があること。
などです。
でも、湿疹もあるし、もうすぐ離乳食始めるし心配という方は、相談しに来てください。
もちろん、狭い意味での食事アレルギー、何かを食べてすぐに、ジンマシンが出る、呼吸がヒューヒューするなどの症状がある場合は食事の制限が必要になってきます。このような場合は、家族の人に原因がはっきりしていることが多いのです。このような場合、とくに呼吸の症状があるときは要注意です。必ず、受診しましょう。
[2016-09-26]