院長ブログ
RSウイルス感染症について
RSウイルス(RSV)に感染すると、2~8日の潜伏期間後に風邪の症状が出現します。これらの症状は1週間程度をピークとして回復傾向に向かいます。しかし、RSウイルス感染症の後に気道が過敏になり、風邪をひくたびにゼイゼイすること(喘鳴:ぜんめい)を繰り返すようになることもあります。
RSVの流行が騒がれるのは、乳幼児とくに生後6か月以内の乳児で細気管支炎、肺炎をおこし、呼吸困難のため入院する場合があるためです。国立感染症研究所のホームページには、「RSVは乳幼児における肺炎の約50%、細気管支炎の50〜90%を占めると報告されており、より年長の小児においても気管支炎の10〜30%に関与していると考えられている」と記載されており、また、「低出生体重児や、あるいは心肺系に基礎疾患があったり、免疫不全のある場合には重症化のリスクが高い」とも記載されています。
しかし、実際に入院するのはRSVに感染したこどもの1%程度ですので、むやみに心配する必要はありません。RSVにかぎらず、風邪かなと思っていても、咳がどんどんひどくなる、ゼーゼー・ヒューヒューいっている、横になって寝むれない、息づかいが粗い、肩で息をしている、などの呼吸困難が疑われる症状があれば早めに受診しましょう。
[2018-12-27]