院長ブログ
体にブツブツができた
子どもは体にはよくブツブツができます。
ブツブツは誰が見てもはっきりと見えますから、お医者さんに行こうということになります。ただ、このブツブツ、専門用語では「皮疹」といいますが、なかなかの「医者泣かせ」なのです。典型的な皮疹は簡単に診断がつきますが、何かよくわからないブツブツも結構たくさんあるので、「お医者さんに診てもらったけど、なんかよう分からん。」と言われた経験をお持ちのお母さんのおられることと思います。
一目見ただけで診断がつくものとしては、「みずぼうそう」や「みずいぼ」、「じんましん」、「手足口病」などがあげられます。
「みずぼうそう」や「手足口病」はウイルスが原因の病気でうつります、周りで流行っているかどうかが参考になりますし、ブツブツの出る場所も決まっています。「みずぼうそう」は「水痘」ともよばれ、すべてのブツブツが全部かさぶたになるまで、保育園や学校に行けません。お医者さんのサインがいる治癒証明書が必要です。これに対して「手足口病」は元気で熱がなければ登校、登園が可能です。これは、「手足口病」のウイルスは症状がなくなっても長い間、排出されるので登園・登校を中止しても流行を食い止める効果がないからとされています。
「みずいぼ」は正式には「伝染性軟属腫」とよばれ、「伝染性」の名前の通りうつります。この病気もウイルスによるもので時間はかかりますが、自然に免疫ができて治りますし、見た目が少しよくないですが、本人は痛くも痒くもありません。それならほっとけばよいのですが、保育園でプールに入れてもらえないため、悩みの種となっています。小児皮膚科学会の先生方は、「みずいぼ」はプールの水では移りません。浮き輪やタオルなどに気を付ければプール参加して大丈夫と言ってくださっているのですが、実際はプール禁止の施設が多いです。
「じんましん」は膨疹といって蚊にかまれたような赤く膨れたブツブツが体の柔らかい部分に出るのが特徴です。なかには、地図のようにひろがって出ることもあります。「じんましん」というと、食べ物が原因と思われがちですが、何かを食べている最中、食べ終わって30分ぐらいで出た場合を除いて、原因がはっきりしない場合がほとんどです。いずれにせよ、人にうつることはありません。
保育園や学校に行っている場合は、うつる病気かどうかが大事なので、お医者さんに行って診てもらいましょう。